アイデアの作り方

アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせであるというのが一番刺さった。ゼロから生み出すものではなく、手持ちの材料をどう関連づけるかの問題だと定義されると、発想が才能の話ではなく手順の話になる。資料収集、咀嚼、一度手放して寝かせる、ひらめき、そして現実に合うか検証するという五段階も、特に「寝かせる」工程が意識的なステップとして置かれている点が新鮮だった。行き詰まった時に粘り続けるのではなく、一度離れることも作業のうちだと考えれば罪悪感がない。また、商品に関する特殊資料だけでなく、直接関係のない一般資料の蓄積が組み合わせの幅を決めるという指摘も納得がいった。良い案が出ない時は考える力ではなく材料が足りていない、という自己診断の基準を持てたのが収穫。日々のインプットを個人任せにせず、チームで貯めて引き出せる形にしておきたい。百ページに満たない薄さだが、発想法の原典として繰り返し戻ってくる一冊だと思う。